Stay The Course【第1回】パンデミック後の未来

皆様こんにちは。

先日、大変残念ですが、バンガード日本支社の閉鎖が発表されました。

今回の発表が、「楽天・バンガード・ファンド」シリーズの運用に、影響を与えるものではありませんが、一方で、日本支社のウェブサイトには、良質な日本語のコンテンツがたくさん掲載されており、皆さまもよくご覧になられていたのではないでしょうか。今後、こうした良質な日本語のコンテンツも閲覧できなくなるのは大変残念なところです。

そこで、我々、楽天投信では、少しでも皆様のお役に立つ情報を発信していけるよう、The Vanguard Group, Inc.のウェブサイトに掲載される情報を一部引用しながら、今後定期的にコラムを作成していこうと考えております。第一回目の今回ですが、新型コロナウィルスの拡大により、依然として不透明なマーケット環境が続いておりますが「パンデミック後の未来」に関するコラムがありましたので、こちらを皆様とシェアしていきたいと思います。

(以下バンガード社本国サイトより一部引用・抜粋)

“The future accelerated” ― 加速する未来

パンデミック以前から雇用主はリモート勤務に対し、段階的に推し進めてきました。また、テクノロジーの進化により、従業員は好きな時間帯により自由に働けるところまではきていましたが、パンデミックの発生が、雇用主から勤務時間の決定権を奪うことになりました。発行者がより有利な条件で再発行できる債券の様に、従来は、雇用主が従業員の働き方に対して、一種のコール・オプションを持っていましたが、パンデミックによりこれは大きく変わりました。

在宅勤務は、もう生産性を確認する実験段階ではなく、今では不可欠なものです。雇用主は、従業員を自宅から安全で効率的に業務に取り組ませることにより、チームワーク(組織力)を再定義しなければなりません。この先、オフィスが過去と同じ機能、役割を持つことはないでしょう。過去50年間拡大してきたオフィス需要も、今後は大幅な減少が見込まれており、都市とその郊外の概念や構造を変えていくものとなるでしょう。

他にも、パンデミックの影響により、以前のように出張ができなくなり、ビデオ会議等を通じたミーティングが主流となったことで、航空会社やホテル各社は、最も収益性の高いビジネスが奪われました。これまで、あまり価格に敏感ではないビジネス旅行者に依存し、一般レジャー旅行者のコストを相対的に低く抑えるビジネスモデルであった航空会社やホテル各社にとっては、変革の時を迎えています。

また、新型コロナウィルスの拡大により、レストランや小売業などは、大きな危機に面しています。効果的なワクチンや治療法が確立されるまでは、回復も期待できない状況にあります。一方、非接触型のeコマースやUber Eatsのような配達業は、日常生活にかかせないものになりつつあります。

興味深いことに、過去10年間でみると、REITにおけるオフィスと小売セクターの構成比率は39%から19%に減少しました。一方で、住宅、インフラ、およびデータ・センター(パンデミックの恩恵を受ける可能性が高いセクター)などの比率は現在45%占めています。投資行動は、すでに明白に変化してきております。

パンデミック後の疑問

パンデミックによる今後の世の中に対する影響は明白な部分もあれば不透明要素もあります。

  • 大規模な景気刺激策、サプライ・チェーンの混乱、および停滞した需要は、過去10年間先進国経済が回避してきたインフレーションを引き起こすことになるのでしょうか?
  • 第二次世界大戦以降のグローバリゼーションは終焉を迎えようとしているのでしょうか?また、それは世界の貿易や経済成長にとって何を意味するのでしょうか?
  • 歴史的な低金利、財政赤字や中央銀行のバランスシートが拡大する中、雇用と価格の安定を維持するために何ができるでしょうか?
  • 2008年の金融危機以降、拡大する所得格差や不平等はどうなるのでしょうか?

我々が直面している危機(健康と経済)は、特定の人種や社会経済グループに対して過度な影響をもたらしています。現在、解決に向けて様々な議論が行われておりますが、それが格差の拡大や不平等をさらに加速させるのか、あるいは改善に向かわせるのか、何も明確ではありません。

今後も当コラムを情報ソースとしながら、これら疑問の動向を注視していただけますと幸いです。これらに対する答えが、世の中に対してさまざまな影響を与えていくと考えられます。まさに数学者であるクロード・シャノンが考案した、世界初の人工知能ロボット(チェスコンピューター)のようにあらゆる事態を想定しておく必要がありそうです。

※当該和訳は、楽天投信投資顧問が英文を翻訳したものです。和訳はあくまでも便宜的なものとして利用し、適宜、英文の原文を参照いただくようお願いします。当資料は情報提供を目的として作成したものですが、その内容について保証するものではありません。


いかがでしたでしょうか。

結論としましては、今後もあらゆる事態が起こりうることを想定しておく必要がある、とのことですが、我々が、人工知能ロボットのようにあらゆる事態を想定することは難しいので、マーケットに一喜一憂することなく、バンガードの創業者 ジョン・ボーグルが提唱した「長期分散投資」を愚直に継続してまいりましょう。

今後も、皆様のお役に立ちそうな情報を定期的に発信できるように取り組んでまいります。次回もお楽しみに!

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