バンガード日和

今回のコラムでは、現在の不安定な情勢にも役立つ、米国のお客様のコメントをご紹介します。この記事は、2020年5月にバンガード・インベストメンツ・ジャパンのウェブサイトに掲載されたものです。
ぜひご覧ください。

新型コロナウイルスの世界的な流行により、私たちは今、かつてない現実に直面しています。自分自身の健康、家族や友人や同僚を含めた周囲の人たち、社会全体、私たちの暮らしそのもの、そして投資のポートフォリオについても心配になるのは当然のことです。

世界の金融市場の大きな変動と、過去に例を見ない経済の先行き不透明感は、経験豊富な投資家ですら、その忍耐力が試される状況と言えるでしょう。

2018年に市場が大きく変動した際、バンガードのCEOであるティム・バックリーは、お客様に次のようなアドバイスを行いました。「ボラティリティが高まると投資家の度胸が試されますが、これを『バンガード日和』、つまり規律ある低コストの長期的資産運用が役立つ時期だと考えることがあります。」

端的に言えば、バンガード日和は、投資を成功へと導くバンガードの基本原則の重要性を示しています。そして、この指針は、世界中で数多くの投資家に支持されるようになりました。その理由はこの原則がシンプルで、かつ長い年月をかけて実績を残してきたからです。

投資に対する別のアプローチ

バンガードのお客様はこの基本原則を採用しているだけでなく、支持してくださっています。以下にお客様のコメントをご紹介します。現在のような試練の時でも、大局的な視点を保ちながらポートフォリオを管理するために、これらのコメントが役立つことを願っています。

  • 生涯で得られる投資のリターンのほとんどは、ほんの数回の判断によって決まります。現在はその時期です。先月と同じことを続けましょう。
  • 市場のタイミングを見計らって取引するより、重要なのは投資の継続です。早く投資を開始するほど良い結果が得られます。
  • 市場の変動を通して、ドルコスト平均法を用いると良いでしょう。冷静に忍耐強く、投資を継続しましょう。
  • 投資計画を変えず、嵐が過ぎ去るのを待つつもりです。
  • 私がすることは、「何もしない」ことです。投資が戦略通りに進んでいる限り、市場の動きは気にしません。
  • 投資に関して、役に立っている不変の真実が2つあります。1つは私には将来を予測することはできないこと、そしてもう1つは他の誰にも将来は予測できないことです。
  • 市場は必ず回復するということを忘れないでください。焦らず、着実に行動する凡庸な投資家が勝利します。
  • 雑音を無視し、深呼吸し、長期目標に焦点を当てましょう。

投資アドバイスの重要性*

投資家の中には、ファイナンシャル・アドバイザーから助言を受けて安心したいと考える方もいらっしゃいます。以下のコメントをご覧ください。

  • この2週間で2回、アドバイザーと話をしました。そして下げ相場への備えができていることが分かり、冷静になることができました。非常に保守的な資産配分を行っている私でさえ、この助言がなければダウ平均が下落した時にすべて売却していたと思います。
  • 投資の最大のリスクは行動リスクです。いくらかの報酬を払ってでも、しかるべきアドバイザーの助言を受けることで、こうしたリスクが低減するのであれば、それだけの価値は間違いなくあります。

*投資アドバイス業務は、現在、日本では提供されておりません。

有言実行

バンガードの最近のレポートによると、市場での取引が活発化している間でも、自主運用を行っているバンガードの米国の個人投資家の10人に9人以上は、「航路を守り」、市場の下落に反応して取引していないことが明らかになりました。

実際、何もしないことが最良の行動となる場合があります。何かしなければいけないと感じたら、税効果を考えた損益通算や目標配分へのリバランス、定期的な投資金額を増やすことなどを検討してください。

ただし、富は健康であってこそ初めて意味があります。保健所や政府が定めたルールに従い、常識を働かせ、ソーシャル・ディスタンスを保つ、これが私からのアドバイスです。自分の健康を守りましょう。

注:お客様のコメントは、わかりやすく簡潔にし、文法上正しくするために編集してあります。


ジョン・ヴェルト

ヴェルトは、バンガードのパブリック・リレーションズと戦略コミュニケーション部門を率いる広報の責任者である。1986年の入社以来、コミュニケーションに関わるポジションを歴任、バンガードの株主向け四半期ニュースレター『In The Vanguard』と社員向け月次ニュースレター『Crew’s News』の編集にも携わってきた。テンプル大学で学士号とジャーナリズムの修士号を取得している。


ご留意事項
  • すべての投資にはリスクが伴い、投資元金を割り込む可能性があります。
  • 税効果を考えた損益通算を行う場合、新規に行う投資が当初の投資に比べてコストが高くなったり、ポートフォリオのトラッキング・エラーがお客様の口座に生じたりするなど、一定のリスクが伴います。また意図しない税務上の影響が発生する可能性もあります。同意条件を慎重に検討し、事前に税務アドバイザーに相談されることをお勧めします。